コ・メディカルと医師の労働実情の差異

医師の業務には専門知識が不可欠です。
であれば、近しいポジションの人間に、うまく業務を割り振れれば問題の解決の糸口はあるように思えるかもしれません。
ただ、医師と近い存在である「コ・メディカル」であっても、実際の勤務環境の状況は医師とは違っているのです。
(ここで言うコ・メディカル(co-medical)とは、医師の指示の下に医療関連の実務にあたる医療従事者を指しています。ちなみに和製英語だそうです。)
例えば、看護師の場合を例に挙げて考えてみましょう。看護師は交替勤務が基本です。そのため、受け持っている患者がいても、朝と夜で担当看護師が違うのは、極自然なことです。
しかし医師の場合は、通常はこのように担当患者の対応を、柔軟に替わることはできません。加えて医師の場合、外来で腫蕩が発見された患者さんの場合、外来から手術、術後の管理まで一貫して関わることもままあります。この場合、それらすべての段階を一人の医師が担当することになるわけです。
フレキシブルな対応と言えば先進的に聞こえますが、裏を返せば個人のカバーする業務範囲が無制限であるがゆえに替えが効かない、というのはシステムが未成熟であるが故の個人依存と言う実情に起因しているのではないでしょうか。交替勤務でもなく、担当交替も原則あまりないことから、次から次へと担当業務が増えていってしまうのです。
また、「応召義務」のある医師は、携わるあらゆる医療行為の責任をつねに背負っています。手術だけでなく、患者への処方も行いますし、術後の管理も行います。そうなると、仕事は移譲どころか、手を放す暇すらなくひっきりなしに連続していくことになるのです。

このように改めて整理してみると、比較的近しい立場、業務内容のコ・メディカルのスタッフと比較してみても、医師はとくに忙しくなりやすく、知識的に近しいからと言って労働環境には隔たりがあるという現状が明確になってきます。やはり、この問題を根本から解決するためには、どこか一部分の応急的な対処ではなく、医師自体の働き方もそうですし、医療機関全体の労働環境やそれに携わる認識を根本から変える必要があると言えるでしょう。

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